生まれ変わった京都の世界遺産「平等院」で極楽浄土を体感しに行こう!
まずは「鳳凰堂」を鑑賞すべし!
本尊の阿弥陀如来は、中堂に祀られていて翼廊が左右に広がっています。あちこちに鳳凰の姿を描いていることから江戸時代に入り『鳳凰堂』と呼ばれるようになりました。10円玉や1万円札にも描かれているので馴染みがありませんか。10玉には鳳凰堂の全容が、1万円札は棟飾りの鳳凰が描かれているんですよ。
目の前に広がる阿字池に映る鳳凰堂は曲線を描く洲浜の護岸により、非常に優美で輝かしいものになっています。約2年の年月をかけて修復され蘇った鳳凰堂は美しい鳳凰が飛び立つかのように見事です。
正面から見ると左の屋根が少し白っぽいのは平安時代の瓦を使っているから。修復前に訪問した人も、ぜひこの蘇った鳳凰堂を堪能してください。
これぞ、極楽浄土! 阿弥陀如来の作る素晴らしい空間
鳳凰堂の内部は、中央に阿弥陀如来像を拝し、天蓋は八花形の銅鏡がはめ込まれています。壁には「九品来迎図」がさまざまな形で描かれており、雲中供養菩薩がなんと52体も壁に掛けられています。
入った瞬間に別世界へと誘う至宝の場所でもあり、藤原道長が憧れてやまなかった極楽浄土。この阿弥陀如来は定朝作の貴重な仏像でもあり、国宝に相応しい見事なもの。藤原一族は、一権力者としてだけでなく、非常に感性が高い人物であったと言えるでしょう。
計算された平等院
西遊記で三蔵法師は天竺を目指して西へと歩みを進めました。極楽浄土は西方にあるといわれているために、この阿弥陀如来の住まいを平等院に見立て、彼岸には太陽が平等院の真ん中西へと沈むように建てられているそうです。
不思議な「翼廊」
『翼廊』は中堂と繋がっているように見えますが、実は繋がっておらず外から見たときに鳳凰が羽を広げているかのようにするために作られています。人が通るような設計になっておらず右には鬼瓦がたくさんあることから魔除けの意味も込めているのかも。
国宝をじっくり見るなら「平等院ミュージアム鳳翔館」
平等院は建築物としても見事で、極楽浄土を映した庭園との融合は日本が誇る歴史的遺構です。仏像や絵画がこの鳳凰堂と一体化していることが、最大の魅力。
『平等院ミュージアム鳳翔館』には国宝の美術品が一同に集まり、より良い状態で楽しむことができます。鳳凰堂の内部を再現したCGが楽しめるので、先にこちらで国宝を目に焼き付けて鳳凰堂に回ることもできます。
境内にある梵鐘はレプリカで、本物はこちらの鳳翔館でみられます。ほかの国宝も同様に展示されているので、見る順番によって感じ方が異なるのを体験してみてください。
人によっては「ありのままの平等院」が見たいと願うかもしれません。老朽化により新しく宝物館がミュージアムになったことで、「古き良きもの楽しみ方」の本来の意味を考えて日本の文化である素晴らしい寺院を守っていくためにはどうすれば良いかを考えたいですね。
「砂ずりの藤」に春を感じよう!
平等院は藤の花で有名です。地面を這うように長く藤の花が下がる藤棚は、宇治の春を彩るだけでなく平等院をさらに雅に見せてくれます。観音堂の真横にあり、早朝には人も少ないのでベストショットを楽しめます。
夏には蓮が白く鳳凰堂を飾ります
大輪の平等院蓮は、江戸時代後期の地層から発掘された貴重なものです。建設当時には、どれだけの蓮が平等院を飾っていたか想像するだけでワクワクしますね。
紅葉の平等院
平等院の紅葉は見頃が11月下旬になるので、比較的静かに楽しめます。平等院とのコラボの美しさだけでなく、宇治川のせせらぎを楽しみながら紅葉を感じてみましょう。
平等院までのアクセス
京都駅から直接アクセスはできないので、JR奈良線まで移動しましょう。
・京都駅8番から10番ホームのJR奈良線「宇治・奈良方面」行きに乗車、「宇治駅」下車、徒歩10分。
・または、京阪電鉄宇治線で「京阪宇治駅」下車、徒歩10分。
駅前には平等院までの地図があるので、確認して歩いていきましょう。
・京都駅8番から10番ホームのJR奈良線「宇治・奈良方面」行きに乗車、「宇治駅」下車、徒歩10分。
・または、京阪電鉄宇治線で「京阪宇治駅」下車、徒歩10分。
駅前には平等院までの地図があるので、確認して歩いていきましょう。
平等院周辺で京都グルメを楽しもう
伊藤久右衛門 本店
中村藤吉本店
京料理 宇治川旅館
宇治川のせせらぎと平等院
「宇治に行くなら平等院」とまでいわれた日本を代表する建造物です。修復を経て当時の姿を取り戻し、私たちの目の前に再び見事なまでの姿をあらわしました。平等院の横には宇治川があり、対岸には宇治神社があります。表参道は、グルメスポットも多く非常に賑やか。平等院を含めて、風情のある町並みを楽しんで思い出をしっかりと作ってください。