龍の目が動く?京都「妙心寺」へ大迫力の天井画を見に行こう
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kyo-trip
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2016年11月24日
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臨済宗妙心寺派の総本山である妙心寺は、JR山陰本線(嵯峨野線)「花園駅」下車徒歩約5分ほどで、京都府右京区花園に位置します。建立は1337年に遡り、当時の花園法皇が創立した由緒ある寺院です。幾度の戦火を免れ現在に至ります。
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境内に並ぶ多くの建物は、そのほとんどが江戸時代に建立されたもの。また、多くの貴重な文化財を擁していることでも知られ、今回ご紹介する「雲龍図」もその一つです。大本山の風格にふさわしく、その敷地は広大。「雲龍図」は、法堂で拝観することができます。
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法堂奥にある拝観受付所で料金を支払います。一般大人で500円。基本的に20分ごとに解説つきのツアーが出発しています。(※2016年9月現在の情報です)
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堂内を進むと、天井に現れるこの力強い龍が「雲龍図」です。
江戸時代初期の絵師・狩野探幽55歳の時の作。製作には実に8年の月日を費やしたんだとか。仏教では龍は仏を助ける存在とされており、一説にはこの天井画には「仏の教えを雨のように降らす」という意味が込められているのだそう。また別の説では、「(水を司るとされる龍が)寺院を火災から守る」ためとも言われています。
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引きで見ると、目が絵全体を囲う円のほぼ中心になる構図であることに気が付きます。実はこれが、「目が動く」「表情が変わる」と言われるゆえんなのです。この技法は「八方睨み」と呼ばれ、どの位置から天井を見上げても龍と目が合うようになっています。命を吹き込まれたかのような躍動感に、思わず身がすくむかも。
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妙心寺の梵鐘(ぼんしょう)は、記録のあるものでは日本最古のものと言われ、国宝にも指定されています。鋳造されたのは1300年以上前の698年で、もともとは九州の筑紫地方で作られたものとされています。そのため、福岡・大宰府の観世音寺に兄弟鐘(鋳型を作るための木型が同じ鐘)があります。
「徒然なるままに~」でおなじみの吉田兼好「徒然草」にも、この鐘について述べられた部分があるのだそう。かつての風流人の心に触れた、特別な鐘の音です。
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妙心寺の塔頭(高僧の墓に寄り添うように建てられる小寺)・「退蔵院」内にある、日本庭園文化の粋を感じるスポットです。「水琴窟」とは、地中に埋めたかめに共鳴する水音を楽しむ仕掛けのこと。一滴ごとに音色は異なり、その響きはどこか幽玄の世界を感じさせます。古き良き日本の音に、しばし耳を傾けてみてはいかがでしょうか。ヒーリング効果が高いという噂もありますよ!
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また、「退蔵院」内には国の名勝史跡庭園にも指定された名庭「元信の庭」もあります。言わずと知れた枯山水の庭で、その独特なたたずまいに時間を忘れてしまいそう。
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春になると、美しい桜の風景が見られます。
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春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪と四季を通して楽しめます。どの季節に行っても色々な顔を見せてくれるので、いつも人がたえません。ぜひお気に入りの季節に、行ってみてください。
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広々とした境内を歩き回って、少し休みたくなったあなたに。妙心寺から徒歩5分の、精進料理はいかがでしょうか。