京都観光の人気スポット嵐山エリアにある世界遺産「天龍寺」の見どころを紹介!
後醍醐天皇が眠る「天龍寺」
後醍醐天皇と言えば、『正中の変』『元弘の乱』で鎌倉幕府を倒すために立ち上がった人物です。『建武の新政』を始め、武士から天皇中心の政治へと自分の理想を貫き通そうとしましたが、足利尊氏により天皇の座を奪われ吉野で没しました。
南北朝廷として、お互いに敵として最後まで戦う事になりましたが、足利尊氏は後醍醐天皇には尊敬の念を抱いていて、吉野で崩御した時にはかなり動揺したと言われます。それを見ていた夢窓疎石禅師の勧めで、嵐山に菩提を弔う為に天龍寺を建立したそうです。
お互いに頭も良く統率力に優れた二人が袂を分けた事で室町幕府が誕生したのですから因果なものです。北条一族の生き残りとして、多くの人命が権力の横行により奪われてきたのを見てきた夢窓疎石は、天龍寺を建立することで平和を願い続けたのでしょう。
足利尊氏により創建された「法塔」
亀山天皇の離宮跡に創建され、嵐山全てが天龍寺であったそうです。最高の権威を持ち、塔頭は150、約1,000人の僧が暮らしていたとされています。度重なる戦乱に巻き込まれ、幕末には蛤御門の変で薩摩藩の砲火により金堂だけが残されました。明治に入り、移築され再建されており庭園にもその名残を見ることができます。
雲龍図を見ることができる「方丈」
天龍寺と言えば、雲龍図が有名です。加山又造により描かれた龍は、人の心を見透かすかのような迫力。春夏秋の特別参拝時は毎日、その他は土日祝のみが拝観できます。
大方丈の襖にある龍の絵は『曾我肅白(そがしょうはく)』によるもので、天龍寺にあるのはレプリカだそうです。エキセントリックな作風で、現代美術にも大きな影響を与えた曾我肅白の原画はボストン美術館所蔵となっています。
「曹源池庭園(そうげんちていえん)」で一息
大きな池を中心に広々とした庭が広がります。大方丈の縁側に座って見渡すも、庭をゆっくりと散策するもよし。池泉回遊式庭園で、禅と王朝文化が合わさった素晴らしい庭です。
天龍寺の殆どが庭園で出来ており、京都の四季を彩る美しい庭として多くの人が足を運びます。さまざまな花と緑が庭を彩るので、いつ訪れても心が洗われるように感じることでしょう。
四季の見どころ
春の天龍寺は桜に彩られ
境内に広がるのは、染井吉野に山桜、八重桜など春を感じさせる鮮やかな桜。多宝殿の前には垂れ桜がその枝振りを惜しみ無く広げます。日中のみしか見ることができませんがその美しさに溜め息しかでません。
桜の開花時期
開花と見頃は、3月中旬から4月上旬まで。嵐山は桜開花時期は肌寒いので、羽織ものはお忘れなく。
梅雨も楽しめる天龍寺
5月にはアヤメ、6月には庭園にアジサイが非常に素晴らしいのも見逃せません。庭園全体にそれらをを見ることができ、余すことなく天龍寺の魅力を楽しめます。
参道にも白や薄紫などのアジサイを見る事ができるので、花を愛でながらゆっくりと散策してみましょう。雨に塗れた紫陽花はまた美しく趣があります。
夏は、大輪の蓮の花を
放生池の石橋を挟んで、大輪の蓮の花が楽しめます。見頃は7月初旬~8月上旬。早朝7時から拝観できるので、ぜひ朝早く訪れてください。
嵐山の紅葉と曹源池庭園
紅葉の山肌を借景にした曹源池の美しさは、秋は格別です。水面に映る光景や方丈からの景観はもとより参道までも赤々と美しく目に眩しく映ります。
秋には特別参拝にて早朝参拝が行われます。例年11月に土日祝と期間限定となり開門が7時30分となるので、人の少ない早朝がおすすめです。
紅葉の見頃
11月上旬から色づき始めるので、11月いっぱいはゆっくりと楽しめるでしょう。
天龍寺へのアクセス方法
【電車】
京福電鉄嵐山線「嵐山駅」から徒歩すぐ。
JR嵯峨野線「嵯峨嵐山駅」から徒歩13分。
阪急電車「嵐山駅」から徒歩15分。
京福電鉄嵐山線「嵐山駅」から徒歩すぐ。
JR嵯峨野線「嵯峨嵐山駅」から徒歩13分。
阪急電車「嵐山駅」から徒歩15分。
【バス】
京都駅から、市バス11、28、93番のバスに乗車、「嵐山天龍寺前」バス停下車、徒歩すぐ。
または、京都バス61、72、83番のバスに乗車、「京福嵐山駅前」バス停下車、徒歩すぐ。
天龍寺周辺のグルメスポット
天龍寺を楽しんだら、お腹も満たして嵐山を楽しみたいもの。今回は、京都らしさを楽しめるグルメスポットの紹介です。
花筏(はないかだ)
こちらでは引き揚げ湯葉を自分で作って食べられます。鰹の出汁で味わう豆乳も絶品! 京都嵐山で湯豆腐を楽しむならぜひ。
嵐山うどん おづる
自家製のうどんが食べられるお店です。京都ならではの九条葱や生麩、にしんなどメニューも豊富です。喉ごしのよさは、小さなお子さんにも人気!
京都を代表する、湯葉と生麩のうどんは人気メニュー。細めんも上品で、さらさらと食べられてしまいます。
嵐山 おぶう
渡月橋を見下ろせる席で食べる甘味は最高の味。宇治抹茶を使ったパフェは、濃厚で渋味と甘味のバランスが最高です。茶そばも食べられるので、小腹が減った時にも利用したい一軒。
茶そばセットはカフェらしい盛り付けで目も楽しませてくれます。ランチには女性客が多くなるのも頷けますね。
広大な天龍寺を跡にして
由緒ある天龍寺は、非常に広く回るだけで1日は必要なぐらいです。自然を楽しむことができる嵐山ですが、時には歴史に触れる旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。