梅に桜、そして京都三大祭!京都の春(3月~5月)を楽しむおすすめスポット9選
初春を楽しむなら梅の香りに包まれた、京都へ
京都では、2月中旬から3月中旬に「梅」が各所で見頃を迎えます。日本の春は桜じゃないの?という人もいますが、平安時代初期までは芳香が素晴らしく力強さを感じる梅を嗜むのが良しとされていました。儚く散る桜とは違い、凛としたその姿は日本人の心そのままを表現しているかのようです。
飛梅伝説の「北野天満宮」で梅観賞といきますか!
京都の梅の名所はたくさんありますが、二条城は梅と桜が同時に楽しめるので誰もが二条城を目指します。今回紹介する「北野天満宮」は菅原道真公縁のスポットですが、大宰府に道真公が流罪になった時に梅がたまらず空を飛んで大宰府に行ったという伝説が残っています。
「紅和魂梅(べにわこんばい)」という北野天満宮のご神木と同じ種類の梅で、道真公を慕うあまりに空を飛んだというのですから凄いですね。薄紅の可憐な梅は樹齢300年以上、3月中旬に見事な梅の花を咲かせます。
天満宮には菅原道真公が愛してやまなかった素晴らしい梅が、春にはそれは美しい花をさかせます。どこか悲哀さえも感じさせ、「東風(こち)吹かば 匂いおこせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな」の声を聞いて、愛しい主人の元にその枝を伸ばしたのでしょうか。
2月25日には「梅花祭り」も行なわれ、京都は春本番を迎えます。新しい年の祈願に、梅を愛でて志を高く1年が過ごせるように祈願してはいかがでしょうか。
北野天満宮(きたのてんまんぐう)は梅と紅葉で有名な京都の神社です。菅原道真公をお祀りした神社の宗祀であり、「天神さん」と呼ばれ、親しまれています。アクセス方法・地図、お守りやお札等も掲載しております。
J京都駅より市バス50・101系統「北野天満宮」下車 徒歩すぐ
圧巻!京の都を彩る桜の競演は「二条城」がおすすめ
徳川家康によって天下平定がなされ徳川幕府が開かれました。御所の守護と将軍上洛の際の宿舎でもあり、大政奉還まで日本の歴史に関わってきた「二条城」は、桜の美しさでは右にでる場所はないでしょう。
源平梅が有名ですが、桜を見に京都に行くなら二条城は外せません。約400本、60種の桜が3月中旬から4月に咲き誇ります。種類が多いので、週を変えると違う桜が楽しめますよ。
二条城の桜は、昭和に入ってから植えられたのものが多く、それ以前はどれだけあったかは定かではないそう。徳川将軍もその美しい桜に心を奪われたはず。歴史の重みとその美しさを心に刻んで帰りましょう。
桜のシーズンにはライトアップもされ、昼間とはまた違った幻想的な桜を楽しめます。まる1日ここで過ごしたくなる、そんな素敵な時間を大切な人と過ごしませんか?
二条城のライトアップ綺麗やったー!桜もちに見えたけど、桜もめっちゃ綺麗だった! pic.twitter.com/ZFYAbppXK7
— みー (@asahinagu15) 2016年4月17日
二条城 世界遺産・元離宮二条城公式ホームページ。元離宮二条城は,徳川家の栄枯盛衰のみならず,日本の歴史の移り変わりを見守ってきたお城です。
京都駅から市バス 9・50・101号系統 「二条城前」下車 徒歩すぐ
これぞ京都の夜桜!「祇園」をぶらりと散策
夜桜を楽しむのなら、京都らしさを一番感じることができる祇園周辺がおすすめです。特に白川周辺には、桜並木があり散歩するだけで夜桜を楽しむことができるんですよ。
重要伝統的建造物群保存地区になっている白川周辺には町家も多く、夜になると舞妓さんの姿も見ることができます。料亭や茶屋も多いので、食事がてらにぶらっとしてみるのもおすすめ。
おすすめは「巽橋」からの眺め。夕刻になると、徐々に灯がつき始め桜を浮かび上がらせます。京都の寺社仏閣の桜も捨て難いのですが、京都を代表する白川のほとりこそ一番、桜のライトアップが素晴らしく、目に焼き付けることができるのではないでしょうか。
大輪の牡丹に魅せられる「乙訓寺」
聖徳太子が建立したお寺ともよばれが高く、藤原種継暗殺事件によって幽閉された早良親王が過ごしたことでも有名な「乙訓寺」。ここの牡丹は手入れが非常によく、雨が降る日に訪れると雨よけに傘がさされているのを見ることができます。
細やかな気配りで大切にされた牡丹は、どこよりも美しく雄雄しい姿を私たちの前に表します。牡丹は雨や風に弱いので、手入れが難しく油断すると折れてしまうこともあるそうです。
色とりどりの牡丹が、境内の前に並んでいるのは圧巻です。シーズンの終わりには、黄色の牡丹がまた可愛らしく牡丹園に登場します。牡丹だけでなく、弘仁2年に弘法大師空海が別当に任じられ、ここで最澄と密教についてあつく法論を交わしたそうです「今里の弘法さん」と親しまれるこの乙訓寺で春のひと時を過ごしませんか?
京都のひな祭りは一味違う!「下鴨神社」で流し雛
3月3日の桃の節句には「下鴨神社」の境内にある御手洗社前で、神事や参詣者による流し雛などが行われます。神事の前には、京雛飾りや十二単の着付けショーもあるので注目ですね。
桟俵に和紙で出来た雛人形を飾って御手洗川に流していきますが、当日購入することもできますので、お子様が女の子ならこちらで参加してみてはいかがでしょう。持ち帰って翌年訪れる人もいますので、混雑するのであればお土産に持って帰っても。
京の「ひな祭りと流し雛」、本年の下鴨神社流し雛、一般参加タイムテーブル 例年9時位に行けばいいポジションで見られますよ https://t.co/niU8J8zCmp pic.twitter.com/BSQR2cgx8p
— suizou (@suizou) 2016年3月2日
伝統と文化の融合「葵祭」
京都の春の祭の中でも、平安絵巻が目の前で繰り広げられる「葵祭」には全国からたくさんの人が集まってきます。源氏物語では正妻『葵上』と『六条御息所』が光源氏の姿をみようと牛車争いをした描写がありますね。それくらい、平安時代にはこの葵祭が大きな意味を持っていたのではないでしょうか。
京都御所から糺の森を越えて、上賀茂神社へ葵の花と紋様で装飾された行列が練り歩きます。まさに平安時代そのままの行列は、タイムスリップしたかのような錯覚さえ起こしてしまういます。旧暦4月の中の酉の日(現在の5月15日)に行われていたお祭りで五穀豊穣を祈るために、斎宮が祈りを捧げていたそうです。
美しい『斎王代』は凛とした姿で、非常に華やかですが主役は『勅使代』であり、栄えあるこの勅使代を務めたのは『光る君』事光源氏だったのです。
伏見を巡る「十石船」
伏見には美術館やコンサートホールが集り、文化的な催しが多く行われています。3月に琵琶湖疏水を「十石舟」で遊覧すれば、美しい桜を楽しむこともできますし、5月には新緑もまばゆく穏やかです。
橋をくぐるときには舟の屋根が下げられたりするので、ちょっとスリリングな気持ちも楽しむこともできるんですよ。平安神宮の巨大な鳥居の間近を通り抜けていきますので、ちょっと得した気分になりますよ。
チケットは船着場で購入できますが、週末は人も多いので午前中で売り切れてしまうこともあるようです。早めにチケットだけ、手にいれておくとあせらずに春の京都を楽しめますね。
京都伏見。自宅近くの風景。初夏の匂いがします。#京都 #伏見 #十石船 #kyoto #japan #初夏 https://t.co/upSxtpkVx3 pic.twitter.com/oDUPlzoyX9
— 愚太郎居士(世捨人・隠士生活実施中) (@gutarokyoto1173) 2016年5月15日
「鞍馬寺」のウエサク祭
源義経が修行をした場所として名高い名刹でもある鞍馬寺。五月満月祭の「ウエサク祭」は、仏教徒にとっては馴染み深い祭りとして世界中で行われています。
地鏡浄業(禊ぎ)が行われる中、ご尊天ご宝前にある『消えぬ灯』から参列者の『心のともし灯』に順に灯がともされていきます。『心のともし灯』はその人の美しい心を意味し、そこに希望や願いを込めて魔王尊に祈願する儀式です。まるでキリスト教のミサのような神聖な空気が漂い、見ているだけでも心が浄化されそうな雰囲気が。
京都鞍馬寺のウエサク祭には、チベットから僧侶が来日し、儀式を行うのですが、私たちが想像するような華やかな祭りとは違って静かで、そして穏やかな珍しいお祭りです。たまには、心の浄化をするこんなお祭りに参加してみるのも悪くないですね。
京都駅から市バス17系統・大原ゆき乗車 出町柳駅前下車、叡山電車「鞍馬駅」へ
京都古文化保存協会の特別公開
来春『平成29年4月28日~5月7日』が予定されていますが、通常非公開の寺社仏閣を含め京都の文化的建造物、国宝などが公開されます。毎年公開されるものが異なるため、何度も訪れたくなるスペシャルな催しです。
この特別な『京都古文化保存協会の特別公開』に合わせて、京都定期観光バスから効率的にスポットを巡るバスが運行されます。京都をじっくり楽しみたい人におすすめです。
京都は都としての歴史も長く、幕末には戦火にも巻き込まれました。多くの文化財が存在しますが、それを後世に繋げるためには最良の状態で保存することも非常に大切なことです。一度特別公開されると、次回はいつになるか分からないものもありますので、この機会を見逃さず歴史の重みを感じてみましょう。
何度も訪れたい!京都の春
桜を目当てに京都に旅行に行く人が多いのですが、5月までは各所でいろんな祭りごとが行われています。私たちに馴染み深いものから、京都でしか見られないものなど、いろいろ角度から京都を見つめてみるとまた面白いものが発見できるかもしれませんよ。