銀閣寺のフォトジェニックな撮影スポット&今出川通のグルメ案内
『東山慈照寺』総門の前に到着

"銀閣寺"の名称で知られているこちらのお寺は、正式名称を東山慈照寺(とうざんじしょうじ)と言います。足利将軍義政公の隠居所として造営されました。当時から現存する建物は銀閣(1489年上棟)と東求堂(とうぐどう・1486年建立)で共に国宝です。また、特別史跡・特別名勝に指定されている庭園は、同じく特別史跡・名勝に指定されている夢窓疎石(むそうそせき)が作庭した西芳寺(通称・苔寺)を模して造園されました。そんな東山文化の中心となった銀閣寺の見どころを、おすすめの撮影スポットとともにご紹介します。

敷地内には朝8時30分から入れます(12月1日から2月末日の期間は、9時からなのでご注意下さい)。総門は江戸時代末期、1800年に再建されました。

総門は内側から見た方が、瓦屋根まで良く見えますね。室町時代には北小路と呼ばれていた今出川通。ここは、ある意味、北小路(今出川通)の東端になります。白川通り以東は、銀閣寺の参道と呼ばれてますが…

総門から右に続く銀閣寺垣の参道。まだ、境内の様子は見えません。まるでお城のような作りです。この垣には、さざんかや藪椿、くちなしなど四季折々の花が咲きます。

銀閣寺垣の先で拝観料の支払い(大人500円)。間近の中門(ちゅうもん)から入るとすぐにある、庫裏(くり)の前のお庭が美しいですよ。玄関左の緑映える木は銀もくせいです。写ってはいませんが、その左に枝ぶりのいい五葉松があります。五葉松の方は後ほど、とっておきのアングルでご紹介します。

先ほどの写真の右側です。中央の門は唐門です。庫裏前のお庭には入れないので、残念ながら正面からの唐門に枝が掛かります。冬季なら映せるかもしれませんね。唐門の奥に見える窓は火灯窓(かとうまど)です。もしも正面から見られたら、銀閣寺の庭園のシンボルとも言える銀沙灘(ぎんしゃだん)まで見通せる絶好の撮影スポットなのですが…

源氏の氏神、八幡社。足利氏も源氏ですよね。一礼して、ごあいさつしてから通り過ぎましょう。
お社よりも、こちらに目を奪われてるはず!突然現れた銀閣

国宝 銀閣です。中に観音様があるので、観音殿とも言われます。1489年の上棟で、東山文化を代表する建築物です。

向月台(こうげつだい)です。この方向に月が見えるはず。こういった砂は、義政公の時代から近くの白川の水の流れが運ぶ白砂なんだそうです。この白砂が月明りで銀色に輝く――それが銀閣の由来という説もあります。但し、白洲による枯山水で作庭されましたが、向月台がいつ作られたかは不明で江戸中期頃だとされてます。高さは180㎝ほど。

こちらは銀沙灘(ぎんしゃだん)です。上下の写真とも銀沙灘の縞模様が縦になる方向から撮影しました。銀沙灘をメインにする場合はこのアングルがおすすめ。横方向だと縞の幅が圧縮されたように写るからです。上は洗月泉(せんげつせん)の方向に向かって撮りました。

銀閣や向月台もフレームに入れて写す場合は、縞模様が斜め方向になります。

国宝 東求堂(とうぐどう)です。1486年建立。中は4つに仕切られて、この写真で手前の角側に義政公の像があります。手前の角側が八畳の仏間、一番遠い反対の角側の四畳半が同仁斎(どうじんさい)という義政公が起居した居間です。

袈裟形手水鉢(けさがたちょうずばち)と東求堂への渡り廊下。

銀沙灘を挟んで、火灯窓越しに写した五葉松。窓を使った借景は、計算しつくされた造園の芸術です。
庭園をぐるっと一周

こちらの錦鏡池(きんきょうち)を中心に造園されています。こんな、なにげない風景も美しいですね。

向月台を錦鏡池(きんきょうち)越しに撮った写真です。写ってませんが、写真の左に仙人州という島があります。

さつき越しに撮った東求堂前の池。中央の左寄りの植木を生やした岩の一群は、白鶴島です。隠れていますが、島で池が半分ずつに分けられています。

樹齢500年の千代の槇。義政公にも触れらたかもしれませんね。

洗月泉(せんげつせん)です。落ちる水に岩の頭が窪んでます。

洗月泉側から東求堂を撮りました。橋の左が白鶴島です。

順路が上りになる手前で左右に道が分かれています。左を行くと、この弁財天が行き止まりとなります。
では、順路を右へ。ここから山道になります。

しばらく行くと崖のようになった所で、お茶の井の説明が立札に書かれてました。義政公が愛飲された井泉の水が現在でもお茶会用の飲料水として使用されているそう。

立札のそばで、お茶の井の静かな湧き水が流れています。

ここから展望所へと、石段が続きます。

展望所から見える銀閣です。義政公もこの眺めをご覧になったのでしょうか?はたまた銀閣寺から庭園を眺めている姿がここから見えたかもしれません。ゆったりと歩いていると悠久の時を旅するような不思議な気持ちになります。

展望所から見える境内と西陣から衣笠山、さらに遠方には、愛宕山(あたごやま)が見えます。

展望所からの下りの順路は、緑の苔が目に優しく出迎えてくれます。

足取りも軽やかになり、優雅な気分にひたれます。

鮮やかな緑に覆われたお庭に戻りました。

錦鏡池から望むこの辺りが、銀閣の撮影のベストポイントです。
元々銀閣は彩色豊かな建物だった?

義政公は銀閣を絢爛華麗な観音殿とするため、2階の外観を覆うようにして、黒漆塗りと建築彩色を施していたことが、屋根葺き替えなどの修復工事の調査で分かりました。約520年の経年変化による劣化からも剥げ落ちずに残っている空間があったからこそ分かった昔の姿。それを元にした復元が展示されています。

順路の最後に銀閣の裏側を通ります。
500年前の趣を残した銀閣寺を離れると、現実に戻りました。今度は、美味しい物を求めて、今出川通を探索しましょう。
まつばや
銀閣寺の総門前、角にあるので、立ち寄る方が多いお店です。外国人観光客にも人気の観光スポットゆえ、不慣れな外人さんに道を聞かれても親切に案内されています。暑い夏はアイスクリームが人気だそうですが、「銀閣寺しゅー」は、外せません。

こちらにはミストあがあって、夏は外でも気持ちいいですよ。
おめん 銀閣寺本店
銀閣寺の参道を降りて最初の信号を左へ曲がった、市営駐車場の隣にあります。ここへは、うどんのつけ麺を求めて来られる方が大半です。他にもメニューが豊富にありますが、肉厚の鯖寿司がついたセットも人気です。
暖かみがあって、伝統を感じさせるこの店構え。
名曲喫茶 柳月堂(りゅうげつどう)
出町柳駅前にあるこの喫茶店は、ジャンルが音楽喫茶ですので、コーヒー1杯は1150円。でも、ここへ来るお客様は、最高の環境でクラシック音楽を聴き、コーヒーを味わうのが目的です。60年前に名曲喫茶を営業された先代の意思を継いで、息子さんである今のマスターが、この店を守り抜いておられるそうです。
迫力あるクラシック曲もこの部屋では、何の気兼ねもせずに聴くことができます。至福のひと時ですね。
クラシックを聴きながら読書もできます。
楽譜や音楽関係の本なら、こちらにたくさんあります。下にベーカリーも併設されていますので、そこで買ったパンなどを持ち込むことができます。
鶴屋吉信(つるやよしのぶ)
堀川今出川の北西角にあります。江戸時代の1803年創業の和菓子の老舗です。和菓子を寿司屋の板前さん風に目の前で作ってもらい頂くこともできます。老舗らしい店内を見て回るのも楽しみの一つですね。
こんな風情のある場所で抹茶も頂けます。
「岩根つつじ」。つつじの花をかたどった和菓子は美しく芸術的です。
和菓子のことを色々教えてもらいながら、その場で食べられる贅沢な体験ができます。予約が埋まっていなければ、すぐに体験できます。
西陣 鳥岩楼(とりいわろう)
最後に辿り着いた所は、西陣の老舗、鳥岩楼です。場所は今出川知恵光院(ちえこういん)の交差点を北へ、1筋目を左へ曲がってすぐです。昼は親子丼のみ、夜はメインの水炊きか、すき焼きに一品料理として、とりわさ、きも造り、焼きとり、から揚げ、手羽先、鴨ロースなどがあります。昼の親子丼は、正午から午後2時までで、相席となることもよくあります。それでも、訪れる方は後を絶ちません。
屋根に掲げられた看板に歴史を感じさせられます。
親子丼です。小ぶりの丼ですが、具は濃厚なくらいに入っています。親子丼ですが、真ん中にあるのは、うずらの生卵です。大食の方には、物足りないかもしれませんが、それはご飯の量が少ないためで、ごはんで誤魔化すことのない満足感のある一品となっています。

親子丼を食べる人は奥の2階座敷へ。歴史を感じる調度品の中でありがたくいただきます。
銀閣寺へのアクセス
京都市バス(銀閣寺前)より東へ徒歩5分ほど、京都市バス(銀閣寺道)より東へ徒歩10分。京都観光に外せないスポット銀閣寺。思わず写真に残したくなる光景が広がっています。カメラを持ってぜひ、お越し下さい。