穴場の京都観光!虹の苔寺と呼ばれる「光明院」の美しい庭でゆっくりと
JR東海の「そうだ 京都、行こう。」のポスターにも起用されたこともあるのですが、訪れる人は少なく隠れた名所として、通が訪れるスポットになっている『光明院(こうみょういん)』。京都随一の紅葉景勝地『東福寺』の塔頭でもあり、枯山水庭園『波心庭』では四季折々の素晴らしい景観を見ることができます。(2017年01月17日 最終更新)
東福寺の勅使門を出てすぐに見えるのが『光明院』。観光寺ではないので、静かに庭を楽しみたい人向けとも言えます。紅葉シーズンは、東福寺のように混雑しないのでゆっくり紅葉が楽しめますが、おすすめは新緑の中の「波心庭」で光る苔。特に雨上がりの苔の美しさは息を飲むほどですから、春から夏にはぜひ足を運んでください。
茶亭「羅月庵」で自分を見つめてみる
開創(かいそう)は金山明昶(きんざんめいしょう)の光明院の見どころは、方丈前の「波心の庭」でしょう。州浜型の白砂に苔の枯池が素晴らしく、三尊石組を配した池泉式の枯山水庭園。サツキやツツジが雲紋になぞらえて刈り込まれており、間から覗く茶亭・蘿月庵は月が雲から見えるように配置されているのが魅力です。
「雲ハ嶺上ニ生ズルコトナク、月ハ波心ニ落ツルコト有リ」は禅の句ですが、これをなぞらえて作ってあるのも魅力です。静かに自分を「見つめたい」そんな旅にぴったりじゃないでしょうか。
作庭家・重森三玲の作品でもある「波心庭」は、東福寺とはまた違った美しさがあります。白砂は大海原を、大きな石が光の加減で輝くとまるで極楽浄土のようにも見えます。高台の雲上「羅月庵」で、のんびり薄茶をいただき、自分自身を見つめてみる。そんな旅こそが、京都観光の真髄ともいえるでしょう。
吉野窓からは、春は新緑・秋は紅葉と素晴らしい景観を望むことができます。京都には、窓越しに庭を楽しめる寺院が多いのですが混雑することも多くじっくり楽しめないこともあります。ぶらり一人旅を楽しみたい人や、現状から少し離れて自分を見つめなおしたい……そんな時には時間を忘れてここで過ごしてみませんか。
東福寺から光明院まで、臥雲橋を越えてから徒歩数分。こちらは無人のことが多く志納金を竹筒に入れて庭を拝観するようになっています。観光寺ではありませんので、ピーンとした空気が張り詰めています。ここは『庭の美しさを静かに楽しみたい』人の為の空間となっているので、門前に貼り紙があるように穏やかに拝観しましょう。
紅葉の隠れた名所
東福寺の紅葉は有名ですが、光明院の紅葉はまた格別な美しさがあります。茶亭・羅月庵からは、障子に赤々と紅葉が光で移された様子が楽しめますし、吉野窓から見る紅葉は絵画の如く目に焼き付きます。
個人的には、苔が美しい季節が好きなのですが静かに紅葉を楽しみたいならこちらにも足を向けてみてください。