生涯に一冊の本との出会いを求めて!京都にあるユニークな書店を訪れよう
ネット書店や都市型の大型書店が隆盛をきわめるなか、それとは対照的に、明確な個性を打ち出した本屋さんというのもたびたび話題になっていますよね。なかでも京都は、愛書家が足しげく通う個性的な書店が多い町。書籍関連の雑貨などが充実したお店から、書物を偏愛するひとたちが一目置く玄人好みのお店まで、京都のユニークな書店をご紹介したいと思います。(2016年08月26日 最終更新)
書店員もあこがれる本のセレクトショップ「恵文社 一乗寺店」
まず最初にご紹介するのは、いまや全国的な知名度のある一乗寺の「恵文社」です。
叡山電鉄の一乗寺駅から徒歩3分。観光客で賑わう京都の市街からは少し距離を置いた場所に恵文社はあります。
とはいえ、叡山電鉄沿線には京都造形芸大や京都精華大などがあって、一帯は芸術やカルチャーの発信の地。その一翼を1975年のオープンから担ってきたのが、恵文社なのです。
とはいえ、叡山電鉄沿線には京都造形芸大や京都精華大などがあって、一帯は芸術やカルチャーの発信の地。その一翼を1975年のオープンから担ってきたのが、恵文社なのです。
ここ恵文社は、独自のスタイルを前面に打ち出して、画一化する大型書店などとの差別化をはかっている書店のカリスマ的存在。「書店の善し悪しは棚づくりで決まる」とか「棚づくりに書店員の個性が表れる」といった考え方がひろまったのは、みながこの書店を参考にしてきたからこそなんです。
そんな恵文社では、オープン以来アルバイトの書店員が棚づくりを任されてきました。ロックバンドを組んでいたり、老舗の喫茶店とのかけ持ちをしたりしていた「一家言ある」アルバイト店員たちによって、その特徴的な棚づくりが受け継がれてきたんですよ。
たとえば「料理」の棚には、レシピ集のすぐ隣に、食にまつわるエッセイの文庫やコミックの単行本、大判の写真集などが並んでいて、一見無秩序のようですが、実は関連する書籍が有機的にリンクするように並べられているんです。
これによって、ある本を探しに来たお客さんに、自分の興味とも関連する新たな書籍との出会いをうながすという仕掛け。
これによって、ある本を探しに来たお客さんに、自分の興味とも関連する新たな書籍との出会いをうながすという仕掛け。
店内を棚から棚へと歩き回っているうちに、面白い本が次々に見つかって、気づけば数時間経っていたなんてこともザラなんです。
だいすきなだいすきな恵文社
時間忘れて長居しすぎた
夕陽ももう沈んでた pic.twitter.com/MtdNE8ZW2U— シオン (@shinr_nr) 2016年3月26日
そんな恵文社ですが、コンセプトは「本にまつわるあれこれのセレクトショップ」ということで、書籍以外の商品も取り扱っています。
まず建物の西側にある「生活館」では、衣食住にまつわる書籍のほかに、キッチン用品やステーショナリーなどの生活雑貨が販売されています。どの商品もデザインや品質などの点から選び抜かれていて、生涯大切にしたくなるものばかりです。
また建物の東側は、レンタルギャラリースペースの「アンフェール」があります。可愛らしい響きですが、フランス語で「地獄」という意味のこのギャラリーでは、地元の学生美術家やアクセサリー作家などの作品が展示され、新しいカルチャーの発信地としても機能しています。
さらに建物の裏にある「コテージ」は、出版社主宰のトークイベントや音楽ライブ、映画上映などが開催されるイベントスペースとなっています。室内にはキッチンが設置されていて、定期的にカフェとしての営業もおこなわれているんですよ。
コーヒーとデザートをいただきながら、店内で出会ったばかりの本を読む、なんてゆったりとした時間の過ごしかたをしてみませんか。
今日は恵文社コテージのnever on mondayにてココナッツアイス、すももサイダーなどをいただきながら読書。幸せな時間でした